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西山水木の鶏頭と蠍尾

取り返しがつかない(今治)

たくさんの著名な表現者が「T下K三の愚業」とののしり、たくさんの若手演劇人やスタッフが「こんな小屋作ったの、誰だよお?」と嘆く…。私たちの間ではあまりにも有名な今治市公会堂での公演の日が来た。 瀬戸内の穏やかで晴れ晴れとしたこの街の美しいたたずまいや人柄に全く似合わない外観。 何か怖い。
多分設計者は舞台表現というものを客席の真ん中からしか見た事ないのだろう。衣裳を着けすれ違う事さえできない舞台裏。成人男子は常に首を傾けてしか通れない。すぐに背中や首が痛くなる。海外から客演は呼べない。若者も使えない。日本人ちっちゃいぞ自慢?オペレーションルームからはなんと舞台が見えない。暖房はコストのかかる一体化。しかも、大音量のファン付き。暑いか寒いの2チャンネル調整しかできないし、本番中は切るしかない。
ここは舞台袖の入り口ですよ。ウチのふすまと同じ高さ。思い出すだけで、変。どうして、わざわざ?こんな逆に凝った作りになってるの? いったいこの建物の本当の使用目的は何?アンチ劇場派ですか?まるで、はじめはあったはずのスペースが道路拡張かなんかでばっさりと無くなったような不思議な作り。地元の大工さんや建築を勉強する生徒をびっくりさせたかったのかな? 音響はぶかぶかだし、舞台はグニャグニャだ。 (驚く事にこの人は後に東京都庁も作ってる)
しかし、化粧前には鑑賞会の皆さんが花を飾って下さっている。ひと瓶ひと瓶違っていて可愛らしく。壁も塗り替えられて、トイレも洗面台も細かい気配りでメンテナンスがしてある。何より観客席の港町らしい明るさと、やさしさ。 ああ、今治のお客様に、もっとよい劇場で、見ていただきたい。 T下さんだって、本当に才能がなかったらあんな偉そうな建築家にはならなかったと思うから、何かよいところはあるのでしょう。ちゃんと探せば。でも、彼の責任は重いと思うよ。聞けばこの今治市の出身との事。たくさん後輩を育てているそうだが、T下さんのよいところを見つけて学んだお弟子さんの誰かが、この取り返しのつかない事を取り返して、この街にふさわしい、明るい元気の出る、また来たくなるような、いい建物を建てて欲しいなあ。

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